


グランフロント大阪/北館/南館の徹底解剖。と書くと1階2階3階・・・などのフロア紹介とか、アクセスとランチやディナーの紹介かと思われそうですが、そうではありません。グランフロント大阪/南館から北館をまわって、そのデザイン性を追うことで、独特な建築美を捉えてみようという方向です。いつ行っても魅力的だと思いますので。主に外観になりますが、内観も少しあります。
グランフロント大阪はJR大阪駅に直結してます。二階改札を出て道なりに行くとグランフロント大阪の二階に行けます。不動産広告的にいうとアクセス至便、ですね。上の写真は一枚目、改札を出て数十歩行ってグランフロント大阪が見えたところ、ちょっと近づいたところ、そこで見上げたものになります。後ろに聳えているのはグランフロント大阪南館/タワーAです。
グランフロント大阪/南館
グランフロント大阪/南館/正面

もう少し近づきました。グランフロント大阪の正面ですね。真ん中と右端に曲面ガラス。縦二本のデザインが印象的。商業施設層ですが、なんともいえない個性的な外観をしているように思います。上品ですね。

中央部分に近づいてみました。左側、縦の二本線がまっすぐではないのがわかります。

グランフロント大阪と名の入ってるところ。縦の二本線が効いてますね。奥にあるガラス面もけして単調ではありません。

グランフロント大阪/南館/タワーAです。横にのびている左右がホルンのような形のものは単にデザインではなく、エアインテーク―自然換気システムによる外気の取り入れ口です。機械による通常の換気に自然の換気を加えて融合させています。ほかにも太陽光自動追尾制御のブラインドやエアフローシステムなどで、熱低減にも取り組んでいます。
あの横にまっすぐなホルンみたいなのはデザインかなぁ、と前々から気になっていましたのですっきりしました。
建物はふつうは窓が並んで、コンクリート、という構造ですが、階ごとにある天井というか、つなぎのコンクリート部分がありません。整列美? きれいに窓だけが並んでいます。こうして改めて見てみると、ほんとにきれいに並んでいます。
大阪駅/グランフロント大阪/南館/横

グランフロント大阪の横手にある大阪駅の大階段。大阪駅の正面というとここ。だと思うのですが、南口も正面のような雰囲気があります。北側は正面ではありません。広くて大きな階段なので、宝塚を連側するのは筆者だけでしょうか。
その向こう大阪ステーションビルも、どーんと吹き抜けにしています。あそこに商業フロアを設けたらテナントさんをたくさん入れることができるのですが、やってません。大きな空間から大きな階段と続き、その下はもっと大きな庭が迎えます。どこまでもデザイン優先ですね。とても贅沢で気持ちのいい空間演出がなされています。
グランフロント大阪/南館/正面 b

グランフロント大阪/南館の正面です。南西からの撮影ですね。左手前の“うめきたシップ”というモダンな建物と、グランフロント大阪/南館。その間には“うめきた広場”という広場と池があります。滝もあります。 なんど見てもやはりきれいです。そして、れぞれがかなり個性的なデザインなのがわかります。これだけ違うと、ふつうはバランスを壊してしまいそうですがまったくそんなことはなく、落ち着きさえ感じさせる大空間を生み出しています。美術館的な雰囲気が漂っています。ここが大阪の一等地だと考えると、いいんですか?と思ったりします。
大阪駅を出ながら見るグランフロント大阪/南館も正面です。つまり正面が二つあるんですね。そういうこともグランフロント大阪の魅力に関係しているかもしれません。少なくても二つの正面があって(大阪ステーションビルを入れると三つ)、それぞれ個性的。というのは特殊なのかもと思います。正面は二つか三つにして違和感ないようにしよう。と設計の際に 思ったかどうかわかりませんが、もしそうなら成功してるといえるでしょうね。
ちょっと足をのばして桜見物。
グランフロント大阪/北館・タワー B

さきほどの写真の左側、西にまわりこんで、グランフロント大阪/北館・タワーBに来ました。青のタワーBがそびえて、低層階は白を基調にして縦二本の線が入っています。基本的なデザインを踏襲しています。その向い側の、南館の北面は緩やかなガラス曲面になっています。写真の右上辺りです。
グランフロント大阪/北館/正面

さらに歩いて、グランフロント大阪/北館の東端まで来たところ。こっちは南館と違うデザインになってます。左側が先ほどの写真。真ん中と右とで違うデザインになっています。素人考えでいくと、縦二本のデザインが右端まで行くんだろうと思いますがさにあらず、です。遊び心を感じます。

近づいてみました。やはりなんとなくばらついています。なのに全体が整っている。という不思議な感じです。それぞれがデザイン的に独立しながら高い次元で協調もしているという風に見えます。
グランフロント大阪/北館/創造のみち/東側

少し離れて撮影。建物の左と右でまったく違うデザインになっています。ですがやはり違和感はなく、とても洗練された都会的な感じです。写真の中央奥にある高層ビルは梅田スカイビルです。ちなみに、グランフロントの西側に、梅田スカイビル方面に出るための地下通路があります。筆者も梅田スカイビルに行くときは利用しています。

グランフロント大阪/南館から北館へとつないでいる連絡デッキ下です。『創造のみち』という名称がついています。南館を入ってこの連絡デッキを通り、北館の端までずっと続いています。正面に見えているのが北館の入口です。上部も屋根というと失礼かと思うデザイン性。

グランフロント大阪/北館/東側。タワーBとタワーCの間。駐車場です。ここは特筆するようなデザイン性は見られませんが、それでもどこか違うという感じでしょうか。見上げると左にはタワーB、右にはタワーCが聳えています。
グランフロント大阪/北館・タワーC

グランフロント大阪/北館・タワーCです。インターコンチネンタルホテル大阪とナレッジキャピタルが入っています。ナレッジキャピタルとは知的創造拠点という意味。筆者もイベントで入ったことがあります。上層階は落ち着いたオフィス空間的。景色がきれいでした。地下のコングレコンベンションセンターは大小のイベント会場でした。上下階ともに、イベント参加をあらかじめ申し込んでいる人以外は入れなかった気がします。高さは154.3mあります。20Fから32Fがインターコンチネンタルホテル大阪になります。
そんなことどうでもいい、と言いたくなるほどかっこいい建物です。建築の外観美を追ってる身としては。
ちなみに、タワーBとの間にナレッジキャピタルという名称の吹き抜け天井の空間があります。
グランフロント大阪/ナレッジキャピタル

こちらがナレッジキャピタルです。6Fまでがナレッジプラザ。その吹き抜け空間です。さまざまなイベントを行うスペースと商業施設や飲食店などが入っています。

ナレッジプラザを西側に出たところの回廊。このまま歩いていくと、北館/タワーBの角で、更に歩いていくともとの場所、グランフロント大阪/南館とうめきた広場に戻ります。

上の写真の上部。グランフロント大阪北館/ナレッジキャピタルの西側部分。

左側が、グランフロント大阪/北館/タワーBの西側です。写真奥が大阪駅の西側。聳えているのが大阪ステーションシティのノースゲートビルディングです。

近づいてみました。 グランフロント大阪/北館/タワーBの西側です。 奥にある茶色のところが大阪駅の西端。大阪ステーションシティのノースゲートビルディング。

西梅田の夕暮れ。きれいですね。グランフロント大阪の南館や北館のオフィスワーカーの方はこの景色をずっと見られるんです。なんとも羨ましいですね。 右下、庇のついたところが梅田スカイビルに行くための地下通路です。
ちなみに、真ん中に聳えているのがハービスOSAKAオフィスタワー。中層階までは賃貸オフィスで、高層階はホテルザ・リッツ・カールトン大阪の客室になってます。総称してハービスOSAKA。他にはハービスHALLやハービスPLAZAが入っています。

タワーAとタワーBの間にある道。すっかり陽も落ちて、けやき並木のイルミネーションがきれいです。

上と同じところから撮った写真です。向こうに見えているのは梅田スカイビル(右)。
大阪名物川沿いの4800本の桜はこちら。
グランフロント大阪/北館/創造のみち/夜

グランフロント大阪/北館の夜景。連絡デッキ。創造のみち。

グランフロント大阪/北館の夜景。西南角です。
グランフロント大阪/うめきた広場/夜

うめきた広場

大阪駅の大階段とイルミネーション。

右手にあるのが“うめきたSHIP”です。1階はカフェ&レストラン「ガーブモナーク」。写真の下側には、冬季限定、アイススケートのリンクがあります。

グランフロント大阪/南館。夜景。見上げてみました。

うめきた広場の池。商業施設の灯りが映ってます。
あとがき
前回の大阪城公園の桜の記事で書きすぎて8,000字(原稿用紙20枚)+写真が30枚になってしまったので、これではさすがに最後まで読んでもらえないと反省し、その半分に納めました。ブログに載せる写真をまとめるのも難しいです。試行錯誤中です。 大阪城公園の桜の記事は筆者お気に入りの、森ノ宮駅から天守閣までの桜撮影スポット順になってますので、お時間のある方は詠んでもらえたらうれしいです。
ということで、グランフロント大阪をぐるっとまわって、そのデザイン性を見てみました。どこを取ってもかっこいい建物だということが伝わってたらうれしいです。建築はいろいろ撮影していて、カッコいいとか優美とか思うのですが、それを表現するのは難しく、いつも頭を悩ませます。特に高層建築は難しいです。
グランフロント大阪のデザイン性はご覧の通りですこぶる高いのですが、一社プロジェクトではなく、多くの設計会社や施工会社が取り組んでいます。いわゆる総合プロジェクトというものですね。取り組んだのが以下の企業様です。
うめきた先行開発区域「グランフロント大阪」事業主
NTT都市開発株式会社、株式会社大林組、オリックス不動産株式会社、関電不動産開発株式会社、新日鉄興和不動産株式会社、積水ハウス株式会社、株式会社竹中工務店、東京建物株式会社、日本土地建物株式会社、阪急電鉄株式会社、三菱地所株式会社
うめきた広場のデザイン監修は安藤忠雄建築研究所です。2025年大阪万博で訪れる外国の方々にも日本の建築技術の粋を集めたグランフロント大阪も見学してもらえたらと思います。
第57回BCS賞 第34回大阪都市景観建築賞 2014照明デザイン賞
第54回空気調和・衛生工学技術賞 技術賞(建築設備部門)
大阪城の桜満開案内はこちら。